【恋愛相談ask500件到達記念・恋愛相談対談企画】

教えて恋愛対談おじさん!(後編)

 とうとう後編までたどりつきました。お互い語るのにも慣れてきて、一方でいただくおたよりはずいぶん自由で。ほぼフリートークのようになっております。

 それはそういうものとして、お楽しみいただけたらしあわせです。

 

 前編はこちら、中編はこちら


■ 登場人物

綱手 藍(つなで・あおい)さん


都内の大学四年生。鼻歌を歌う人は臆病ものといいますが、歌詞が覚えられないだけの鼻歌うたいです。八九寺真宵さん一神教徒。愛は諦め。(ご本人による自己紹介)

きしょう@daikouzui

 

社会人3年目。生きづらい歴は25年目。恋愛相談をいただくようになってもうすぐ2年。冗談交じりで「おじさん」を自称しているうちに本当におじさんになっていっており驚くやら悲しいやら。


■おたより5通目:結局決めゼリフは言わないまま

さて。5通目にまいります。

ここからは、完全にいつものネタaskラッシュみたいな感じになりますよ。

ラストスパート!


私には長いこと恋人がいないので、どうやったら恋人がつくれるのかとか、どれだけがんばりゃいい、誰かのためなの?とか、よくわからなくなってしまいました。周りに素敵な方はいますが、わかっているのに決意は揺らぐ・・・。デートというか、二人で食事などしていても、結末ばかりに気を取られ、この瞬間を楽しめず、めまいがしてしまいます。でも、夢じゃないんだ、あれもこれもって自分を奮い立たせて、その手でドアを開けます。祝福が欲しいのなら、悲しみを知って、一人でなかないといけませんもんね。そしてーかがやーく?



これは僕の完全な進行ミスなんだけど、今日会って最初の打ち合わせのときに、ウルトラソウルだって言っちゃったんだよね。(笑)

私、なんとなくしか読んでなかったから、自分では気付いてなかったのに。(笑)

これ思ったより完璧にウルトラソウルだから、歌詞ググってみて。

(参考…… B'z ultra soul 歌詞 <J-Lyric.net>

あー、ウルトラソウルだね。ウルトラソウルだ、これ。(笑)

ネタとして完成しちゃってるけど、これ私たちはどうすればいいの?

こういう感じのaskがきたときに僕がいつも直面する問題ですねこれは。

まあ……普通におたよりとして読み上げた体で、それに関してフリートーク的な感じかな?

よっしゃ。

「私には長いこと恋人がいないので、どうやったら恋人がつくれるのかとか、どれだけがんばりゃいい、誰かのためなの?とか……」

あーダメだダメだ。もうウルトラソウルしか頭に入ってこない。(笑)

「……よくわからなくなってしまいました。周りに素敵な方はいますが、わかっているのに決意は揺らぐ」

これねえ、「決意(おもい)」って読むんだよねえ……。


 (両名、爆笑)


これはもう無理だな!(笑)

どうしようかな。でもここでいう、「長いこと恋人がいなくて、先に進めないような気がする」って、よくあるかもしれないけど、深刻な悩みだよね。そういう人とか、そういう現象について、あおいさんはどう思う?

うまく切り返したね。(笑)

うーん、やっぱりタイミングって大事だから、急がなくていいと思うなあ。

焦って無理して行動してみても、結局自分はそれを求めていない、ってなるだけだと思う。一度やってみるのはいいと思うけどさ。

難しいのは、失敗すればするほどまわりが見えるようになるんだよ。おたよりをくれたこのひとだって、たぶんそうで。そことの折り合いをどうつけていくか。

カーッ、って感情が高ぶることがなくなったら、それこそ条件で決めていくしかなくなるよ。

でも実際、そんな日ってやってくるのかな?

私だってかなり合理的に考えてるほうだと思うけど、それでもやっぱり感情が先行することってあるよ?

うーん、どうだろ。

え、考えこむのか。社会人になって、25歳になって、かなり減った?

感情先行は確かにあるけど、でも先行のしかたが前ほどじゃないよね。

完全にまわり見えなくなって、とかはないじゃん。

それはないね。10代のころはマジでブレーキついてなかったけど、最近は即ブレーキ入るというか、ブレーキかけながら進んでいくというか。

まわり見えてない没入感みたいなものを求めてしまうと、二度と何もできなくなるよね。

戦略的に何も考えずに、勢いに身を任せることも必要ってことかな。

考えた通りのことしかしなかったら、考えた通りの世界になっちゃって、つまらない。

うん。自分の中でどうしようもなく動き出してしまったものがあるならば、小さくてもそれを大事にしていくべきなんだよね。

繰り返してきた失敗のおかげで、変にダメにしてしまう可能性も下がっているはずで。

年相応な感じで、舞い上がっていければいいね。

そうだね。

じゃあまあ、これはこのへんで。


■おたより6通目:askに謎あり歴史あり

次は6通目なんだけど、これどうしましょうかね。


きしょうさん、きしょうさん。告白します。ごめんなさい。きしょうさんが忘れていたらこの話もスルーしてください。「1.305倍」の件です。あれは、ほんとうに特に意味はない数字なのです。別にそれは「1.439倍」でも、「5.321倍」でもよかったのです。(後者だと、ちょっと突飛すぎますけど)なんだか、私自身も正直その部分にフォーカスされるとは思っていなくて、虚を突かれてしまったので、うまく説明できないうちに、タイミングを失ってしまったのです。ですので、いつもと違うことをやるこのタイミングで踏ん切りをつけることにしました。ごめんなさい。なんだか、「もやもやするなあ」とか「本当にこいつはあのaskの人なのか?」とか思われてしまいそうで、そこもごめんなさい。でもあれは私です。更に言うと、おそらくきしょうさんが「こいつとこいつは同一人物が書いたっぽいな」と思われるようなaskも、結構な割合で私だと思います。こういうことを言うのは非常に興醒めなのであまり言いたくないのですが、せっかくなので言いました。ごめんなさい。ところでこのごめんなさいは何回目?見返さずに答えてください。ふふふ。



これ、私には謎すぎるんだけど。どういうこと?

「1.305倍」ってのは、このaskだね。


 (両名、読む)


askそのものは覚えてたけど、いつか種明かししてださいねなんてお答えしてたのか。

うわあ、1年以上前のaskか。そうかそうだよなあ……

うん、流れはわかったけど……きしょうさんのaskと間違えて送ってきちゃったのかな?

そんなことないと思うなあ。「せっかくなので」って言ってるし。

僕はまあ、これもこれでちゃんとしたおたよりだなあ、って受け取ったよ。

じゃあ私はなにをしゃべればいいんですか! わからん!

それもそうだ。それは困るね。(笑)

でも、僕が「askください、かまってください」以外の態度で何らかの窓口を開くことって珍しいし、必死でおたより募集するなんて、考えてもみなかったくらいだし。だからいいきっかけではあったんだと思うな。

確かにねえ。

これ、読んでみてよくわからないんだけど、きしょうさんはどうしてこんなにこの数字に引っかかっちゃったの? どう見てもめっちゃ適当な数字じゃん。

なんか、化学の謎かけだと思っちゃったんだよね。「希硝酸」って見た時点で、これは何か意味のある数字なんじゃないか、って。そう思ったというか、そう思ってみたかった。

確かに、この人からだったらそんなに引っかかるところじゃないなあ。

誰からのaskだ、ってそんなにわかるものなの?

普通はわからない。たぶんいろんな人が想像するよりぜんぜんわかってないと思う。

でもこの人自身も言ってる感じだけど、これはけっこう特殊な部類だから。


 (askまとめを開く)


このiPhoneのやつとか、七五調で答えてください、とか。

「ごく普通のアムル人です」なんてほぼ恋愛相談要素がないけど、あまりにも突飛でおもしろいからまとめに含めちゃってるし。(笑)

うける。(笑)

でも、こういう風に思ってても、挙げたうちのどれかは実はこの人じゃないかもしれなくて。それがaskの、もどかしいけど楽しいところでもあって。

2年以上続けてきたと考えると、本当にいろんなことがあったなあ……。

はいはい。きしょうさん、askについて語り出すと長いもんね。

そろそろ次のおたよりに行きましょうか?

わかりました。はい、すみません。


■おたより7通目:好きだと言って、天使になって?

これが最後のおたよりです!


きしょうさん、こんにちは。あおいさん、はじめまして。私の恋人が、機嫌がいい時と悪い時に波があるタイプなのです。それは、小さい波の時もあるし、大きな波の時もあります。でも私は、その中の一番のビッグウェーブを乗りこなして、世界一のサーファーになりたいです。そして世界中の海を巡って、そこで出会った子供たちに、ひまわりの種をあげるんです。私は言います。「この種を植えるんだ。そして芽が出たら、それを毎日一回、飛び越えてごらん。そしてその芽が大きくなって、いつかそれを飛び越えられない日が来たら、君はもう大人だ。その時はその体とサーフボードを持って、海に出よう。大人になった君に、海がたくさんの事を教えてくれる。」するとある子が言いました。「僕、いつもは外で精一杯遊んでいるけれど、たまに・・・たまにどうしても、サンタ・アナが吹き荒れる日のような、何もしたくない気分になることがあるんだ。僕が大人になった時が、『その日』だったら、僕はどうしたらいいんだろう?」こういう、機嫌の良し悪しに波がある人とうまくやっていくには、どうしたらいいと思いますか?



あおいさんです、はじめまして!

……って、これさっきの人じゃないの?

たぶんね。

めっちゃウケる。(笑)

で、これはどうしたらいいの?

真ん中が芸術点の部分だから、その評価は読者に任せるとして、最初と最後をとって答えればいい。

手慣れてるねー。(笑)

つまり、「波のあるタイプの人をどうするのか問題」だよね。

ビシバシ言いたいこと言っちゃうと、恋人だからって、その人の24時間にあなたが合わせる必要はまったくない!

わかる。きわめてそれはわかるんだけど、そう思わない人もたくさんいるし、恋人がそう思わない人で、じゃあどうすればいい? ってことだよ。

いや、私もそんな女の子だった頃があるから言えるんだけどさ。

でもこうした悩みに対して何か言うならば、もう少しあなた自身の人生を見たほうがいいよ、って。

それね。

難しいんだよ。そう言われたってできないのもわかるんだけど。

問題をややこしくしてるのは、どうしようもなく波のある人が、同じものを求めてくる、ってことで。受け手としては形ある何かで安心するところもあるけど、でもその受け手がある意味一定じゃない。

うーん、具体的な解決策を提示しようとするなら、「そういうとき」の扱い方を決めておけばいいんじゃない?

放っておいてほしい人も、構ってほしい人もいるわけだからさ。落ち着いてるときに相談しちゃえばいいんだよ。

いや、できないよそれは。少なくとも僕は怖くて言えない。

そういう「現実との折り合い方」って、理念的な理想像とはほど遠いものだから、どこまでも理想に向かって進んでいきたい人からしたら、認められないものだと思う。

現状が理想から離れてるから少しでも戻そうね、って話なんだけど、その前提が受け入れられない。で、何も解決に向かわなくて困る、みたいな。

あー。

ある意味で、連絡するしない、みたいな形式万能主義になりがちで。

それで本質的に満たされるわけじゃないのに。

わかるわかる。そういうことだよね。

……でもまあ、だいぶ偉そうなこと言って、じゃあテメー自身に波はないのか! って話。

僕だって豆腐メンタルだからさ。

まあ、そうだね。(笑)

じゃあ、波があったときにどうされたいですか?

とにかく放っておいてほしい。

恋人がいなくても日々の暮らしの中で波が起こってばかりなんだよこちとら、って話で。支えてくれるあなたがいなくても乗り切っていかなきゃいけないし乗り切ってきたんだよ、それでいいし、あなたが満足するような方法で波をやり過ごせるとは限らないんだから。

わかる。この件に関しては完全同意。

あなたが原因じゃないことのほうがたくさんあるわけで、それに対して罪悪感とか、不安とか、感じられてもこっちとしては余計困るだけ。

一緒に暮らしてる家族ってわけでもない、いつか別れるかもしれない恋人なんだからさ。

そんなに何かできるわけでもないし、何かできると思わないで、って思っちゃう。

わかるよ。わかるし、言いたい。

その人の心の平穏に対して何かできると思うのは傲慢だってことだ!

でもまあ、僕は言えないけどね。

……このままだと、ひたすらふたりで怒り続けることになりそうだから、このへんにしときましょうか。


■終わってみて

ちなみにお店は恵比寿の「Time Out Café & Diner」でした
ちなみにお店は恵比寿の「Time Out Café & Diner」でした

というわけで、おたよりは以上となりました。

いかがでしたか?

自分なりの答えが出せない、おたよりにどう答えるかじゃなくて、自分がその状況になったときにどうすればいいかわからない、ってのは、なかったかなって思う。

強気だねえ。(笑)

でも僕も、askに答えてるレベルだと、答え方もそうだし、自分がそうなったときの対処のしかたも、わからない! ってのはほとんどないよ。

それがすごいよね。

私は経験値でなんとかなったというか、自分が経験してきたことにたまたま当てはまってた感じだから。

でもまあ、僕については「言うは易し」ってだけな気がする。なんの責任もないわけだしさ。

アイデアがあればプロットを書くのは楽しいけど、小説を書くのはやっぱりしんどい、的な。

なるほどね。口で言うのと実際やるのは、やっぱり違うってことか。

そうだと思う。

今日はほんとうにありがとう。お疲れさまでした。

こちらこそありがとうございました!

第2回第3回、期待してます。なんならおたよりするからさ。(笑)

えーっ。(笑)


 というわけで、ずいぶんムチャした印象もあるこの対談企画、いったん完結になります。

 (このあと個別のaskとして、おたよりにお答えしてもいきますけれど。)


 実際、対談していただける方がいて、あとはおたよりがくれば、次回以降もまんざらではないというのが正直なところです。いかなる形でもいいので、ご応募ご連絡ください。「教えて恋愛対談おじさん!」係の窓口も、当分は開いておきますので。


 ここまで読んでくださったみなさん、おたよりをくださったみなさん、そして誰より対談相手のあおいさん。本当に、ありがとうございました。


対談を締めたあとも結局暗くなるまで喋り続けました
対談を締めたあとも結局暗くなるまで喋り続けました