【恋愛相談対談企画】

教えて恋愛対談おじさん!・第2回(その1)

 第2回、本当に実現してしまいました。(第1回はこちらから。)

 

 仕事が繁忙期にさしかかっているところに正月休みがきて、ここしかないとばかりに勢いで対談をセッティングしたらなんとか実現してしまったものの、まとめる時間がとれずにずるずるここまできてしまいました。勢い大事、でもワークライフバランスもっと大事。

 というわけで、2016年1月1日、浜松の居酒屋にての姉弟酔いどれ(でもふたりとも大真面目に話しましたよ!)対談。以下ぜひ、お楽しみください。

 

 (企画の概要については、こちらをご参照ください。)

 


■ 登場人物

ゆーるなさんご本人によるプロフィール

 

きしょうさんのふたつ年上の、生き別れの姉(という設定に、きしょうさんに勝手にされている)。昼間は会社ではたらき、夜になるとポエムをよむタイプのぽんでらいおん(紹介が意味不明すぎるので、ご本人によるプロフィールをご参照ください)。

きしょう@daikouzui

 

社会人3年目。生きづらい歴は25年目。恋愛相談をいただくようになって2年以上。「恋愛相談おじさん」を自称しているうちに白髪がよく混じるようになってきて、歳はとりたくないなあ、としみじみ思う昨今。


■ 本当に元日の対談だったんです

あけましておめでとうございます。

こんな無茶な日程の企画におつきあいいただいてすみません。

あけましておめでとうございます。

こちらこそ浜松まで来ていただいてありがとうございます。まさか本当に来るなんて。(笑)

それいちばん僕が思ってますから。(笑)

お店どこも開いてなくて、浜松らしさ皆無のふつうのチェーン居酒屋になっちゃってもうしわけない。

いえいえ。そこも含めてネタみたいなもんですから。

飲み屋がまったく営業しておらず人気のない町中
飲み屋がまったく営業しておらず人気のない町中

おたより、案外集まってよかった、って感じなんでしょうか。

そうですねえ。前回より多く、10通もいただいて、ありがたいばかりです。

今回もいただいた順に、ご紹介していきましょう!

いきましょう!


■ おたより1通目:「自分がいて、相手がいる」こと

おたより1通目です!


ゆるーなさん、きしょうさんこんにちは。お二人の対談を拝見できること、また対談が定期的に行われる予感がすることを嬉しく存じます。さて、ご質問です。好きな人だと思って付き合ったのに、そのうちでどうしても許せないこと(それはとても些細なことであるときもあります。食事の仕方とか連絡を取るペースとか)が見えてきて、その人と付き合うことができないと感じることは私の見る目がなかったということなのでしょうか。もしかすれば、数年経って気付くこともあると思います。そのときに、どう対処する(相手に対してと自分の気持ちや責任感に対して)のがいいでしょうか。



さっそく名前が間違っているのがポイントですね、ゆーるなさん。

「ゆるーなさん」って間違いかたは、もはや慣れすぎて自分でも違和感がないくらいよくあるので、気にしないでください。もはやゆるーなさんでもいい!

まあ、どっちも語感いいですもんね。

さてさてこのかたですが、真面目すぎるな、って思いませんか。いろんなことを前もって考えて考えすぎてしまうというか。

前提として、「好きだと思って付き合ったけど許せないことが出てくる」って、まあよくあることだよね。って思いました。

ふつうのことですよね。

価値観があわないと思ったり気付いたりして、そのときはじめてどうするか考える、っていうのが普通の流れじゃないのかなあと思うんだけど。こういう悩み方するものかな? って。

僕もそう思いますけど。

でも、大切にしたい人がいて、「失敗したくない」と思う気持ちだってありますよね。

よくわかんないなあ。起こるかどうか分からないことを心配しすぎ?

付き合ううちに何か許せないことが出てきたら、考えて、どうしても許せなければ別れればいいし、相手に言って直してもらえることなら直してもらえばいいじゃない?

 それって恋愛感情とか愛情の問題じゃなくて、単なる個別の事象の問題じゃないかな。

「個別の事象の問題」?

お箸の使い方でも、連絡の頻度でもいいけど。「付き合うことができない」とまで感じちゃうってことは、自分の価値観からは我慢しにくい、重大な問題なわけでしょう。

そういう問題って、二人の愛情が深まったら勝手に解消されるってわけにはいかない。だから、その個別の事象が発生したところで、対処方法を考えることしかできないんじゃない? ってこと。もちろん、歩み寄りで解決できるならいいし、そうじゃないこともあるのは確かだよね。

それはまあ、そうですよね。

真面目すぎる、って最初に言ったのは、「ちゃんと階段をのぼっていきたい」という思いがあるというか。数年経ったら結婚しちゃうことだってあるわけで。

来たるべき結婚のために、問題が生じてもなお、別れたくないということかな?

いや、そのうえで「どう対処するのがいいか」を聞かれているわけだから、「きっぱり別れて忘れるように」とか、「こう耐えなさい」とか、そういうお答えになるんでしょうかね。

それだって、事象しだいとしか言えないと思うけどなあ。

仮に2年くらい付き合って、結婚するかもなって思って。その段階まで至ったので、同棲を始めたとするじゃん。そしたら、その人の洗濯のしかたがどうしても許せないとわかった、と。何度言ってもいろんな素材の洗濯物をいっぺんに洗ってしまう、と。

そういう、家での生活にかかわる部分だと、けっこうありがちな話ですよね。

表に出す部分じゃないわけですし。

ただガサツなだけだったら、それでもねばり強く言って直してもらうことだってできるかもしれないし、「洗濯は私がするからいいよ」みたいな解決法が見つかるかもしれない。

でも例えば、「地球のことを考えて、水をムダにするのが絶対に許せない!」みたいな感じだったらどうしようもないよね。

それこそ「価値観の相違」ですね。(笑)

それでも、いっぺんに洗っても大丈夫な服しか着ないとか、まだ方法はあるけど。でもどこかで許せないラインがくる。そうなったら別れるしかない。

でもそれって、付き合ってきた2年間が無駄になるわけじゃないじゃん。それだけ時間が経過して関係性が深まっていったからこそ、この人とはやっていけないってことがわかったんだから。それに、「ああ自分にとって洗濯はこのくらい大事なことだったんだな」ってわかって、次の相手を探すときは、何気なく事前に確かめたりできるかもしれないし。

価値観にかかわる点として認識できていれば、「洗濯どうしてる?」って聞けばすむわけですからね。

まあ、たとえ話だけどそんな感じ。

どう対処するのがいいでしょうか」ってのは、付き合った2年がもったいないっていう発想からなのかな。結婚適齢期が過ぎちゃう! みたいなことであれば、わからなくもないけど。

それもあるかもしれないですけど、おたよりには「自分の気持ち」というのもありますよね。「好きな人は好き」ってのも、含意されているように思えて。それにはどう対処すればいいんでしょうか。

付き合っていけないんだったらしょうがないのでは?

2年がもったいない、ということじゃないなら、問題と自分の気持ちを天秤にかけて、ゆっくり判断するしかない。それだけじゃない?

でも、なんか……

でも、なんか! なんだ!!w

さあどうぞどんどん噛み付いて! 女の子代表きしょうさん!!!!w

性別が逆転してますよねwwwww

おたよりをくださったかたの性別はわからないわけですが、まあ女性っぽくはあるかなあ。askをいただいたりするのも、はっきりしないながらやっぱり女性のほうが多いという感覚はあって……基本、おじさんは女性の味方です。(笑)

最初からわかってたけどこの対談は性別逆ですからね!

私は「うるせー、めんどくせー」な男側になっちゃいがちだから。(笑)

でも、というのは、そんなにゆーるなさんに噛みつきたいというわけではなくて。

世の中の夫婦をみたときに、イメージとしてはぶつくさ言ってる夫婦のほうが多いじゃないですか。細かい部分で耐えられないようなところって絶対あると思ってて、生まれも育ちも違うんだから。夏がダメだったりセロリが好きだったりするわけですよ。

ふむ。

結婚するにあたって、別に「ぜんぶの価値観がぴったり!」と確認して結婚するわけじゃなくて。ある程度段階を踏んで、なんやかんやありつつ、多くのものが見えないまま、あるいは見えないふりをしたままで、「このひとしかいない」とひとまず思って結婚する。そういうタイミングにあって、後戻りがキツくなってきたら、妥協できるラインはもうちょい甘くなりますよ、と言いたい。

妥協できることなら、妥協したらいいよね。

2年2年とたとえ話をしてみたけど、まだその2年はおそらく経ってないわけで。

そうだよねえ。例えば1ヶ月しか付き合ってないのに、許せないことが今後出てくるかもしれないからやめておこう、なんて思って手を引いちゃうのは、少なくとも間違いだよね。

先を見据えすぎるのもよくないという話で。目の前にいる相手にふわ〜っとなるのが恋愛ですからね。

少なくとも結婚を意識してマイルストーンを踏んでいく、みたいなのはいらないと思ってる。もともとそういうのを志向して付き合うなら別だけど、それは恋愛じゃなくて婚活かなって。

この感覚は結婚を諦めたのが大きいのかも。

ここは結婚諦めてるつながりでもありますからね。そのへんの感覚は似てると思います。

はじめてのかたのために補足しておくと(笑)、私は明後日の1月3日で27歳になりますが、24、25歳くらいまでは、恋愛とか結婚とかいうと、世間体とか、社会的にまともな人生を歩みたいとか、そんなことを考えちゃってた気もする。だからこの人も、恋愛がどうとかじゃなくて、結婚が近い目標なのなら、それをしっかり意識して考えていくべきかもしれない。

結婚とまでいかなくても、うまくいき続ければ関係は半永久的と思うかどうか。あくまで終わりがある人間関係として相手のことをとらえるか。

でもそれってほんとに全くわからないことだよね。

私自身が結婚とか半永久的な関係とかそういうのあきらめてるから、期待しなさすぎるのかもしれないけど。

うん。なるほど。

そこはけっこう、僕もゆーるなさんと近いと思ってるんですよね。

うむうむ。それで、ええと、なんの話だったっけ?

当然ですがとっくのとうにお酒は入っている状態です
当然ですがとっくのとうにお酒は入っている状態です

……で、まあ先を見据えすぎるのはよくない、という話ですよ。

あ、そうでした!

まだ若くて結婚なんて考えてないならそんな先のこと考えたってしょうがないし、結婚を真剣に考えているなら恋愛はやめて婚活をすればいい。価値観の相性重視で探していこう。ある程度の年齢になればおかしなことじゃないと思います。

自分が何を求めているのか、というところまで含めて、いまのことを考え続けなさい、ということですね。

そう思う!

許せるものと許せないものは変わらずずっとあって、でもそれはそのふたつにはっきり分かれるものじゃない。グラデーションのある、程度の問題で。

そしてそれは、時間を経て変わっていくということもあり得る。

解決策が見つかることだってある。

解決策とか、折り合い方とか。

そのうえで、無理だと思ったときに「無理だ!」って別れちゃうことは、何も間違ってない。

そのときはすっぱり別れちゃえばいいよね。責任感とか、いらないよね。

責任果たす果たさないということじゃないですよね。

たとえ好きな気持ちがあっても、それ以上に「無理」がまさっていたり、「好き」だけが求められているわけじゃなかったり。

それと「見る目がなかった」ってのも、そういうことじゃないよ、って思いますね。付き合ってはじめてわかることのほうがいっぱいあるんだから。

そう。確かに先に見通せてたらよかった、ということもあるかもしれないけど、それって実際できる人がいるのかっていうと疑問符ですよね。

や、先に見通せてたらよかったということでもないと思うなあ。

付き合ってみて、そしたらはじめていろいろわかって、いろいろ苦労して、楽しかったこともあったけど結局別れて、ってところまでがひとつのプロセスで、その恋愛によって得られる大事なものだと思う。別々の人間が関係をつくるにあたって、すりあわせをしていくことこそが恋愛の本質のひとつだと思うんだよね。

すりあわせにトライすることが人間関係であり恋愛である、と。

すりあわせは積極的にやっていこうよ、見る目がないとか見通しがたたないとかそういう話じゃないんじゃないかな、って思う。

私も昔は見通せたらいいと思ってたけど、先に見通してみて、きっと無理だからやめておこう、というんじゃ何も始まらない、すりあわせしてみよう、って思うようになった。

お互いいい感じになって、「このひとと始めてみよう」と思えるところまできたのに、「でも冷静に考えてこのひととは洗濯のしかたが合わなさそうだな……」と思ったときに、そこでやめられますか? という話ですよね。

 自分が「すりあわせてみたけどやっぱダメ!」ってなるところまでいくってことが、唯一誠意とか責任とか呼べるものなのかな、と思います。

そうやって、ちゃんと相手を見ていくことのほうがきっと責任なんでしょうね。

「先を見通したい」って、どうしても一般的な価値観とか、第三者的な目線が入っちゃってるというか。

でもそうじゃないよ、って。

結局は、自分がいて相手がいる、ということ。

その先は、すりあわせてみないとわからないよ、と。そういうことでしょうか。

うまくまとめたね。

そんなにきれいにまとめなくていいと思うけどなあ。(笑)

そんなにまとまった気もしませんけど……まあ、編集者ですから。(笑)


 お互いにけっこうマシンガントークで、けっこう長くなってしまったので、その1としてはこの1通だけという形にさせていただきます。人となりが少しでも現れるといいな、ということで、あまり編集せずに流れ通りにまとめた、ということもありますね。

 

 全部で4〜5回くらいでまとめられればいいな、と考えています。時間はもう少しかかりそうですごめんなさい。

 

(各編へのリンク→その1その2その3その4